グラフィックファシリテーション

~ソフトウェア開発を円滑にするツール~

Vol.015 2023年5月25日

業務システム開発は、多くの専門性を持った人たちが共同作業を行う難解なパズルと言えます。このプロセスにおいて効率的で深いコミュニケーションは極めて重要となります。コロナ禍以降は、オンラインで会議をする機会も増えており、コミュニケーションが難しくなったと言われています。そこで今回は、オンラインにおいても有効なコミュニケーションのツールとして「グラフィックファシリテーション」についてご紹介します。

 

さて、みなさんも会議やワークショップなどでホワイトボードを使われていると思います。グラフィックファシリテーションは、視覚的な表現を活用して会議やワークショップを進行する手法です。文字だけではなく、イラストや図形を駆使して情報を共有することで、理解を深め、アイデアを具現化し、議論を活性化します。
具体的なイメージは一般社団法人グラフィックファシリテーション協会のWebサイトなどで紹介されています。

 

このグラフィックファシリテーションの具体的なメリットには以下のものがあります。

明確な理解:
視覚的な表現は、複雑なコンセプトやアイデアを明確に伝えることができます。文字だけの説明よりも理解しやすくなるでしょう。
深い参加 :
全員が図を描くことで、全員の参加とエンゲージメントが促進されます。
記憶の強化:
視覚的な情報は、テキスト情報よりも記憶に残りやすいとされています。

では、どのように始めればよいでしょうか。まず、大切なことは絵を描くスキルが必要という誤解を払拭することです。グラフィックファシリテーションでは、情報を伝えることが目的ですので、完璧な絵を描くスキルよりも、情報を視覚的に表現する能力が重要となります。

 

以下は作図の7要素と呼ばれています。どんな複雑なイラストや図形も基本的には以下の要素を組み合わせて描かれます。そう考えると、簡単に思えてきませんか。マーカーやホワイトボードを手に取り、シンプルな図形や矢印、象徴的なイラストから始めてみましょう。

作図の7要素

このグラフィックファシリテーションをオンラインで行う場合は、デジタルホワイトボードを用います。最近では、GoogleのJamboardmiroのようなツールが人気です。デジタルホワイトボードを用いると、実際のホワイトボードと同様にリアルタイムで書き込みが可能で、参加者全員が同時に情報を追加、編集することができます。一度描いた文字や図形を簡単に移動したり縮小拡大できるところも便利です。これにより、リアルタイムでのフィードバックや意見の共有が容易となります。そのため物理的な制約を乗り越え、距離や場所に関係なく、チーム全員のアイデアを視覚化し、共有することができます。

書類のデジタル化フロー検討の例

書類のデジタル化フロー検討の例(※Google Jamboardで作図)

業務上の判断基準(ルール)のように可視化しにくいものを対象とする場合は『属性間関係図』と『コンテンツ(ルール表)』を用いると上手くいきます。この方法は、弊社が業務ルール分析を行う際の常套手段として用いているものです。

属性間関係図:
属性(パラメータ)を分解して木の形式でトップダウンに分析する手法
コンテンツ :
業務における判断基準や判断に用いるデータを表形式にまとめたもの
属性間関係図の例とコンテンツの例

絵が下手だからと心配せず、一度グラフィックファシリテーションを試してみてください。グラフィックファシリテーションは、ただ情報を伝えるだけでなく、チーム全体の思考を形にする道具です。それぞれの視点やアイデアを視覚化することで、新たな洞察や解決策が生まれる可能性があります。これはまさに、業務システム開発の現場にとって、有意義で価値ある結果を生む手段と言えるでしょう。

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