IPA DX白書2021
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Vol.004 2022年3月16日

2021年10月にIPAから「DX白書2021」が発表されました。既にご覧になられた方も多いと思いますが、未だの方は是非、ご一読ください。DXを検討するうえで素晴らしい資料だと思います。このDX白書は、日米の企業トップへのアンケートに基づき、両国におけるDX化の差、DX推進の示唆および手法・技術解説が全396ページに渡り記載された超大作です。

米国企業はITシステムに「変化への柔軟性」を重視、一方、国内企業は…(p.13,p.225)

「変化へのITシステムの柔軟性」や「外部サービスとの連携」などの点で米国企業の6割が「達成している」と回答していますが、国内企業は2割に留まっています。国内企業が「業務にあわせて個別にシステムを開発する」方針でIT化を進めてきたことが立ち上がりの遅れに繋がった結果とも思えます。逆の見方をすれば、この分野において今後、ITベンダーやコンサルのビジネスチャンスと言えます。

DX取組の成果に日米で4割もの大きな差(p.27)

「DXに取り組んでいる」という回答は米国企業の8割に対し、国内企業は5.5割です。更に「DXの成果がでている」という回答は米国企業の9割に対し、国内企業は5割と大きな差が開いています。伸びしろがあるとポジティブに受け止める必要がありますね。

国内企業にはITに見識がある役員が不足している(p.31)

米国企業では「ITに見識のある役員が3割以上を占める」が5割、日本企業では2割です。経営者主導の事業構造改革であるDXには経営者のコミットが必須です。日本企業でもIT出身者の役員登用が進むことが期待でき、ITに携わる私たちの活躍の場が広がるものと思われます。

「第4部 DXを支える手法と技術(p.189)」は必読

第4部には最近の技術トレンドがコンパクトに解説されています。ここはDXに関わる技術系の担当者だけでなくとも読んでおくことは非常に有益だと考えます。

以上は、紙面の都合でほんの一部をご紹介しているだけですが、またウェビナーなどでルールエンジンと関係付けて個々の内容を掘り下げてご紹介したいと思っております。このような資料を無償で公開してくださったIPAに感謝いたします。この資料がきっかけとなり、国内企業のDX化が進むことを期待しております。