作らない技術のための技術

Vol.013 2023年3月23日

昨今の激しいビジネス環境変化に追随するため業務システムに高い柔軟性が求められていることは、この業界に係る人にとって既に共通認識になっていると思います。

 

そのようななか「作らない技術」というキーワードが話題になっています。「作らない技術」とは、従来のプログラミング中心のシステム開発から、可能な限り既存のソフトウェア・サービスを組み合わせてシステムを構成し、プログラミングを最小化するための技術要素および開発・運用手法をさします。

 

クラウドサービスの高度化・多様化、ノーコード/ローコード開発ツールの普及などが後押しし、良くも悪くもシステム開発におけるプログラミングの必要性は低下の一途を辿っています。また企業が全社最適のDXを進めるなかで「作らない技術」の適用範囲も個別業務から全社横断的な業務へと広がっています。

 

この「作らない技術」の主な技術要素には以下のものがあります。

  • ローコードツール
    高度な操作性を求められるUI開発等に用いる
  • ワークフロー(BPM)
    作業プロセス管理やペーパーレスの実現に用いる
  • RPA
    API化されていない既存システムとの連携に用いる
  • ルールエンジン
    業務部門主体の業務判断自動化を実現に用いる
  • iPaaS
    上記技術要素や他クラウドサービスとの連携に用いる

これらの技術要素を有機的に連携させることで、高い柔軟性と高度な業務機能を短期間に実現できます。下図は、その一例です。

iPaaSによる業務システム統合例

このような技術要素の連携を実現する上で重要な注意点は、個別のソフトウェアやクラウドサービス上に業務上の判断に係る業務知識を散在させないことです。業務知識は一元管理することで、真の柔軟性確保が可能です。ルールエンジンは、このための解決策です。
業務プロセスと業務知識(業務判断基準)は、本来、管理責任者もその変更頻度も異なります。そのため、この2つを分離して管理することが望ましいと言えます。これまでのプログラミング中心のシステム開発では不可能でしたが、上記に紹介した「作らない技術」の連携により、ようやく実現可能になったのです。
弊社は、様々な業務分野で、このような事例・実績を多く有しております。是非、お気軽にご相談ください。